瓦屋根は塗装できる?できる瓦・できない瓦の違いを解説
一級塗装技能士監修
屋根のメンテナンスについてご相談をいただく中で、「瓦屋根も塗装が必要ですか?」という質問はとても多いものです。屋根と聞くと「定期的に塗装するもの」というイメージを持たれている方も多いのですが、実は瓦屋根は種類によって塗装が必要なものと、必要ないものがあります。
この違いを知らないまま工事を検討してしまうと、本来必要のない塗装をしてしまったり、逆に必要なメンテナンスを見逃してしまうこともあります。
この記事では、瓦屋根の塗装の必要性や、塗装できる瓦とできない瓦の違いについて、塗装専門業者の視点からわかりやすく解説していきます。
瓦屋根は塗装できるの?まず知っておきたい基本
瓦屋根はすべて塗装できるわけではない
屋根材にはさまざまな種類がありますが、「瓦屋根」とひとことで言っても実は複数の種類があります。
主に住宅で使われている瓦は次のようなものです。
・日本瓦(陶器瓦)
・いぶし瓦
・セメント瓦
・モニエル瓦
この中で、塗装が必要になる瓦と、塗装をする必要がない瓦があります。見た目が似ているため、一般の方には判断が難しいケースも多く、現地調査の際によく質問をいただきます。
塗装が必要ない瓦もある理由
瓦の中には、素材そのものが非常に耐久性の高いものがあります。
たとえば日本瓦は、粘土を高温で焼き上げて作られているため、表面の塗装が劣化するという構造ではありません。素材そのものが雨や紫外線に強いため、塗装による保護が必要ないのです。
一方で、セメントを原料にした瓦は塗膜で保護されているため、年月とともに塗装が劣化してしまいます。そのため定期的な塗装メンテナンスが必要になります。
この違いが、瓦屋根の塗装の有無を分けるポイントになります。
塗装できる瓦の種類
セメント瓦
塗装が必要になる代表的な瓦が「セメント瓦」です。
セメント瓦はその名前の通り、セメントを主原料として作られている瓦で、1970〜1980年代の住宅に多く使われています。表面は塗装で仕上げられているため、年月とともに塗膜が劣化してしまいます。
劣化が進むと次のような症状が出てきます。
・色あせ
・苔やカビの発生
・表面のザラつき
・水を吸いやすくなる
この状態を放置すると、瓦が水分を吸収しやすくなり、ひび割れなどの原因にもつながります。そのため、セメント瓦は定期的な塗装メンテナンスが必要になります。
モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)
モニエル瓦も塗装が必要な瓦の一つです。
モニエル瓦はヨーロッパ発祥の瓦で、セメント瓦の一種ですが、表面に「スラリー層」と呼ばれる特殊な着色層があります。この層の処理を正しく行わないと、塗装が剥がれてしまうことがあります。
そのためモニエル瓦は、施工経験のある業者による適切な下地処理が非常に重要になります。
美達でも、屋根の現地調査の際に瓦の種類を確認し、モニエル瓦の場合は専用の工程で施工するようにしています。
塗装できない瓦の種類
日本瓦(陶器瓦・いぶし瓦)
日本の住宅でよく使われているのが、日本瓦と呼ばれる陶器瓦です。
粘土を高温で焼き上げて作られているため、非常に耐久性が高く、塗装によるメンテナンスは基本的に必要ありません。
陶器瓦の特徴としては
・塗装の色あせが起きない
・耐久性が高い
・メンテナンス頻度が少ない
といった点があります。
そのため、日本瓦の屋根は「塗装する屋根」ではなく「点検と補修をする屋根」と考えるのが基本になります。
塗装してはいけない理由
日本瓦に塗装をしても、実はほとんど意味がありません。
理由としては、塗装が瓦にしっかり密着しにくく、時間が経つと剥がれてしまう可能性が高いからです。
また、瓦屋根は通気性を考えた構造になっているため、塗装によってそのバランスを崩してしまうこともあります。
屋根の状態によっては、塗装よりも別のメンテナンスが必要になるケースも多いのです。
瓦屋根で塗装以外に必要なメンテナンス
漆喰の補修
瓦屋根のメンテナンスで多いのが、漆喰の補修です。
漆喰は瓦を固定する役割があり、屋根の棟部分などに使われています。年月が経つと、ひび割れや剥がれが起きることがあります。
漆喰が劣化すると、雨水が入り込む原因になるため、定期的な点検と補修が大切です。
瓦のズレや割れの修理
台風や地震などの影響で、瓦がズレたり割れたりすることもあります。
瓦がズレたまま放置すると、そこから雨水が入り込み、雨漏りにつながる可能性があります。早めの補修が住まいを守ることにつながります。
棟の補修や積み直し
屋根の一番高い部分を「棟」と呼びます。
この部分は風や雨の影響を受けやすく、長年の間に歪みや崩れが起きることがあります。必要に応じて棟の積み直しを行うことで、屋根の耐久性を保つことができます。
瓦屋根のメンテナンスを間違えると起こるトラブル
塗装しても意味がないケース
屋根の状態や瓦の種類を確認せずに塗装をしてしまうと、本来必要のない工事をしてしまう可能性があります。
特に日本瓦の場合、塗装をしても屋根の耐久性が上がるわけではありません。それよりも、漆喰や棟の状態を確認する方が重要なケースが多いのです。
間違った施工で雨漏りの原因になることも
瓦屋根は構造を理解した施工が必要です。
例えば、瓦を固定する方法を間違えたり、防水の考え方を理解していない工事をしてしまうと、逆に雨漏りの原因になることもあります。
そのため屋根のメンテナンスは、瓦屋根の構造を理解している専門業者に相談することが大切です。
瓦屋根の点検はプロに相談するのが安心
瓦屋根は耐久性の高い屋根ですが、まったくメンテナンスが不要というわけではありません。
塗装が必要な瓦もあれば、塗装ではなく補修が必要なケースもあります。その判断は、屋根の種類や劣化状況によって変わります。
ペイントプロ美達でも、屋根のご相談をいただいた際には、まず現地調査で瓦の種類と状態を確認することを大切にしています。実際に調査をしてみると、「塗装ではなく漆喰補修だけで大丈夫でした」というケースも少なくありません。
大切なのは、本当に必要なメンテナンスを見極めることです。
もし屋根の状態が気になっている方や、「うちの瓦は塗装が必要なの?」と疑問をお持ちの方は、一度点検をしてみるのも安心につながります。
ペイントプロ美達では、倉敷市・岡山市を中心に屋根の点検やご相談も承っています。気になる症状がある方は、お気軽にお問い合わせください。住まいの状態を確認しながら、わかりやすくご説明させていただきます。








