屋根防水で注意したい「可塑剤移行」トラブルとは?ゴム系シートの弱点と対策
屋根や陸屋根の防水工事では、ゴム系シート(EPDMシートや塩ビ系ラバーシート)が幅広く使われています。
これらは柔らかく施工しやすいという利点があり、住宅やマンションの改修、公共建築物の防水工事など、さまざまな現場で採用されています。
しかし、一見すると問題がなさそうに見えても、内部では目に見えない劣化現象が進んでいることがあります。その代表的なものが「可塑剤移行」です。
可塑剤移行は、放置するとシートの硬化やひび割れ、接着不良などを引き起こし、結果的に雨漏りや建物の劣化につながることがあります。
倉敷市のように夏場の気温が高く、強い日射や湿気にさらされやすい地域では特に注意が必要です。
本記事では、可塑剤移行の仕組みや具体的なトラブル事例、そしてプロが行っている予防策を分かりやすく解説します。
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可塑剤とは?ゴムシートを柔らかくする成分
ゴムは本来、固くて加工が難しい素材です。そこで、製造段階で「可塑剤」と呼ばれる薬剤を加え、分子同士の隙間に入り込ませることで柔軟性を持たせています。
可塑剤の働きにより、シートは施工時に曲げたり引っ張ったりしても破れにくく、複雑な屋根形状にも対応できるのです。
つまり可塑剤は、防水シートを実用的にするために欠かせない存在なのですが、同時に“長期的なリスク”を抱えています。それが「シートの外部にじみ出る=移行」という現象です。
可塑剤移行が起こる原因
可塑剤は時間が経つにつれて安定して留まることができず、熱や紫外線、接触する素材との化学反応などをきっかけに、少しずつ外に滲み出します。
特に以下のような条件が重なると進行が早まります。
高温環境
屋根は夏場に直射日光を浴びると70℃近くまで表面温度が上がることがあります。この熱が可塑剤を活発に動かし、外に押し出します。紫外線の影響
紫外線はゴム分子を不安定化させ、可塑剤を外へと追い出す要因となります。日射時間の長い倉敷市では無視できないリスクです。下地材との相性
アスファルト系の下地や、古い防水層に残る溶剤成分がある場合、可塑剤はそれに引き寄せられるように移動してしまいます。異種材料との密着
塩ビ管やアルミサッシ、鋼板など異なる素材と接する部分では、界面で化学的な偏りが起き、可塑剤が偏ってにじみ出すケースがあります。
可塑剤移行で起こる具体的なトラブル
可塑剤移行はすぐに目に見える変化を起こすわけではありません。しかし数年〜十数年のスパンで、次のような症状が現れます。
硬化・ひび割れ
可塑剤が抜けた部分は柔軟性を失い、シートが硬くなります。やがて微細なクラックが走り、最終的には雨水の侵入口となります。
表面のベタつき・汚染
表面に滲み出した可塑剤はベタつきを生み、空気中のほこりや排気ガスを吸着します。黒ずみやテカリが目立ち、見た目が悪化するだけでなく、塗装やコーティングの密着を妨げます。
接着不良
下地との間に可塑剤が出てしまうと粘着力が低下します。その結果、端部の浮きや剥がれが生じ、台風や強風でめくれやすくなります。
隣接部材の劣化
可塑剤が塩ビ管や樹脂製のサッシに移行すると、相手材を軟化させたり変形させることがあります。部材同士のトラブルに発展するのも大きな問題です。
プロが実践する予防策
完全に可塑剤移行を止めることはできませんが、施工段階で適切な対策をとることで進行を抑えることができます。ペイントプロ美達では、以下のような工夫を取り入れています。
絶縁シートを挟む
アスファルト下地や古い防水層の上には、不織布や絶縁マットを敷いて直接接触を防ぎます。これにより可塑剤の移行を大幅に抑制できます。プライマーの厳選
メーカー指定の専用プライマーを使用することで、密着性を高めつつ可塑剤のバリア効果も期待できます。安易な汎用品の使用はトラブルのもとです。トップコートで保護
紫外線を遮断するトップコートを定期的に塗布します。一般的には5〜7年ごとが目安で、これを怠ると劣化スピードが加速します。可塑剤フリー材料の採用
最近では可塑剤を含まないTPOシートなども普及しています。初期費用はやや高めですが、長期的な維持管理コストを考えると有利な選択肢です。
倉敷市の気候と可塑剤移行リスク
倉敷市は瀬戸内気候に属し、年間を通じて日射が強く、夏は高温多湿になります。屋根表面が高温にさらされる時間が長いため、可塑剤移行の進行が全国的に見ても比較的速い環境です。
また、台風シーズンには強風や豪雨にさらされ、端部の剥離があれば一気に雨漏りにつながる可能性もあります。
こうした地域特性を踏まえると、施工段階から「絶縁シート」「専用プライマー」「トップコート更新」などの対策を講じることが非常に重要です。
ペイントプロ美達からのご提案
当社では、倉敷市での施工経験をもとに、以下のような対応をおすすめしています。
新築や大規模修繕時には、できるだけ可塑剤フリーの材料を選ぶ
既存シートを活かす場合は、絶縁層を設けたうえで施工
定期点検を5年に一度行い、表面のベタつきや端部の浮きを早期に発見
トップコートの再塗装を怠らない
これらを実践することで、可塑剤移行によるトラブルを未然に防ぎ、屋根の寿命を10年、20年と長持ちさせることができます。
まとめ
ゴム系シート防水は、柔軟性と施工性の高さから多くの現場で採用されています。しかし、その裏には「可塑剤移行」という見えないリスクが潜んでいます。
・可塑剤が抜けるとシートは硬化し、ひび割れや剥離の原因になる
・表面の汚染や接着不良、さらには隣接部材の劣化まで招く
・倉敷市のように日射や高温が強い地域ではリスクが高まる
・プロの施工では絶縁層や専用プライマー、トップコート更新が欠かせない
・長期的には可塑剤フリー材料の選択も有効
建物を守る防水層は「目に見えない部分」だからこそ、しっかりとした知識と施工技術が必要です。
ペイントプロ美達では、倉敷市の気候や建物の状態に合わせた最適な防水工法をご提案しています。
屋根の耐久性を高め、安心して暮らせる住まいを実現したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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